羊蹄山

状況は現場にした人間にしか分からないが、雪庇の崩壊により雪崩が発生した模様。人為的ものなのかどうかは分からないが、雪庇付近の雪の状況は念入りに観察すべきである。雪庇の上に乗って崩れるのはもちろんのこと、風上側にも雪庇の重みでクラックができていることもあるし、崩壊と共に足場がもっていかれることも少ないない。クラック自体かなり深さがあるものもあり、落ちてしまった場合自力での脱出が不可能となってしまうこともある。風下側も雪庇の直下は上から崩壊するばかりでなく足場の雪の状態が不安定な場合であるので十分に気をつけなければならない。

骨折により身動きがとれなくなった場合の対応として、やはりヘリによる救助が要請できることにこしたことはない。救助に際し、他のパーティーの応援があれば心強い。ただしくれぐれも二次災害に十分に配慮することを前提としてである。


3人をヘリで救出 羊蹄山雪崩遭難 1人は自力で下山(03/03 12:31、03/03 13:55更新)

 【喜茂別、ニセコ】後志管内喜茂別町の羊蹄山(一、八九八メートル)で二日、登山中の男性四人が雪崩に遭い、一人が右足を骨折した事故で、道警の救助隊とともにビバークしていた四人のうち、三人は三日午前、道警ヘリで救助された。残る一人は天候が悪化したため、救助隊とともに歩いて下山した。

 倶知安署などによると、骨折している函館市、会社員Oさん(46)はヘリで札幌市内の病院に搬送。別の一機が二人を同管内ニセコ町内のヘリポートに運んだ。歩いて下山する一人を含め、三人にけがはないという。同署によると、四人は二日午前八時半ごろ、同管内京極町の登山口から入山。標高一、四三〇メートルまで登り、Oさんがスノーボードで滑り始めたところ、雪庇(せっぴ)が崩れて雪崩が発生した。Oさんが巻き込まれ、約百八十メートル流されて体半分が埋まった状態となったが、三人が救出し、110番通報した。

 雪崩は幅二十-三十メートル、長さ約百八十メートル、厚さ約二十センチ。事故当時は吹雪で、視界は三十-五十メートルだったという。四人は自力で百メートルほど下ったが断念し、雪洞を掘ってビバーク。二日午後七時すぎ、道警の救助隊が四人を発見し、合流した。

 道警によると、最近の冬山遭難は、スノーボードやスキー目的での入山が多く、装備が不十分な場合もあるという。二月八日には後志管内蘭越町のニトヌプリ(一、〇八〇メートル)でスキーツアー客ら四人が雪崩に巻き込まれ、二人がけがをした。
(北海道新聞)